2026-08-10 / お金の計算
実質年率とは — 表面金利と何が違うのか
金利1.2%と1.3%のローンがあったとき、安いのは前者とはかぎりません。事務手数料や保証料を含めると順番が入れ替わることがあります。それを1つの数字にしたものが実質年率です。
ちがい
表面金利は、借りたお金にかかる利息だけの率。
実質年率は、それに手数料・保証料などの費用を含めて、
年あたりの負担に直した率です。比べるときはこちらを見ます。
なぜ順番が入れ替わるのか
住宅ローンでは、金利のほかに次のような費用がかかります。
- 事務手数料 — 定率型(借入額の2.2%など)と定額型(3万円台など)があります
- 保証料 — 保証会社に払うもの。一括前払いと、金利に上乗せする方式があります
- 団体信用生命保険 — 金利に含まれる場合と、上乗せになる場合があります
たとえば「金利は低いが事務手数料が借入額の2.2%」と「金利はやや高いが手数料は定額」を比べるとき、表面金利だけを見ると判断を誤ります。3,000万円を借りるなら2.2%は66万円で、これは金利にすると無視できない差になります。
考え方
実質年率は、手数料を含めた総支払額が、その利率だけで説明できるとしたら何%かを逆算した数字です。
手数料を先に払う場合、実際に手元に残る金額は借入額より少なくなります。一方で返済額は借入額をもとに決まります。この差が、実質的な負担を押し上げます。
計算そのものは、支払いの流れ全体から利率を逆算するもので、手計算には向きません。ここは計算機に任せる部分です。
比べるときの手順
- 候補それぞれの表面金利・事務手数料・保証料を書き出す
- 手数料が定率か定額かを確かめる(借入額によって有利不利が変わります)
- 同じ借入額・同じ期間で実質年率を出す
- 総支払額でも確認する
3と4の両方を見るのは、実質年率が近いときに、総額では数十万円違うことがあるためです。
注意しておきたいこと
- 変動金利では、実質年率は「いまの金利が続いたら」の数字です。金利が上がれば変わります。5年ルール・125%ルールの影響もあわせて見てください
- 繰上返済をすると、実質年率は下がります。手数料を先に払っている場合、期間が短くなるぶん負担率は上がる方向にも働くので、実際の効果は試算して比べるのが確実です
- 金融機関が表示する数字と計算方法が一致しないことがあります。契約前には必ず金融機関の返済予定表で確認してください
いくらの差になるか
3,000万円・35年で、表面金利の差が0.1%あるとき、総返済額の差はおよそ60万円前後になります。事務手数料の定率と定額の差も、同じ規模で効いてきます。
つまり実質年率0.1%は、数十万円の話です。比べる手間をかける価値はあります。
カエセル
カエセルは、事務手数料と保証料を入力すると実質年率を計算します。表面1.2%が実質1.337%になる、といった差がその場で出るので、条件の違う商品を同じ物差しで比べられます。
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