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2026-09-14 / お金の計算

住宅ローンの試算が、銀行の返済予定表と数百円ずれる理由

計算アプリで出した総返済額と、金融機関から届いた正式な返済予定表の数字が合わない。よくあることですが、たいていは計算が間違っているのではなく、金融機関ごとに決め方が違う「端数の扱い」が原因です。

先に結論

借入額・金利・期間が同じでも、1円未満の端数をどう処理するか、初回の返済日までをどう日割りするかは金融機関ごとに決め方が違います。これだけで総返済額は数百円から数千円変わります。計算式が間違っているわけではなく、どちらも正しい計算の結果です。契約前には必ず、金融機関が発行する正式な返済予定表で最終確認してください。

原因1:1円未満の端数処理

毎月の利息は「残高 × 月利」で計算しますが、この時点でほぼ必ず1円未満の端数が出ます。この端数を切り捨てる・四捨五入する・切り上げるのどれにするかは、金融機関のシステムが個別に決めています。

借入3,500万円・年1.2%・35年(420回)・元利均等返済で試算すると、端数処理の違いだけで次のように変わります。

  • 切り捨て — 毎月102,095円、総返済額42,880,056円
  • 四捨五入 — 毎月102,096円、総返済額42,880,214円(切り捨てとの差 158円)
  • 切り上げ — 毎月102,096円、総返済額42,880,474円(切り捨てとの差 418円)

毎月の返済額そのものは1円しか変わらないのに、420回積み重なることと、最終回で残高を精算する処理が絡むことで、総額の差は数百円まで広がります。借入額が大きいほど、この差も比例して大きくなります。

原因2:初回返済までの日割り計算

融資が実行されてから初回の返済日までの日数は、月の途中で融資が実行された場合はほぼ必ず1ヶ月に満たない端数の期間になります。この期間の利息を日割りでどう計算するか(実際の日数で割るか、30日を基準にするかなど)は金融機関ごとに規定があり、初回の返済額だけ他の回と違う金額になることがあります。試算アプリの多くは「融資実行日=初回返済月の頭」という単純化した前提で計算するため、ここでもずれが生じます。

原因3:うるう年の扱い

日割り計算をする金融機関では、1年を365日として計算するか、うるう年は366日で計算するかでも、ごくわずかですが利息額が変わります。長期のローンでは返済期間中に複数回うるう年をまたぐため、積み重なると無視できない差になることがあります。

原因4:保証料・団体信用生命保険料の扱い

保証料は「借入時に一括で前払いする」方式と「金利に上乗せして毎月払う」方式があり、どちらを選ぶかで毎月の返済額の内訳が変わります。団体信用生命保険(団信)の保険料も、金利に含まれている金融機関と、別枠で徴収する金融機関があります。試算アプリの多くは表面金利だけをもとに計算するため、これらの諸費用の扱いが返済予定表と一致しないと総額に差が出ます。実質年率で比較する方法は別の記事(実質年率とは)にまとめています。

どこまでのずれなら正常か

上の試算例のとおり、端数処理だけを原因とする差は、数十年の借入でも総額で数百円程度にとどまります。これに日割り計算や保証料の扱いの違いが重なると、数千円までずれることもあります。一方で、総額が数万円以上ずれている場合は、金利・借入額・返済期間・返済方式のいずれかの入力が実際の契約条件と食い違っている可能性が高く、端数処理では説明がつきません。まず入力条件を返済予定表と1つずつ照らし合わせてください。

確認のしかた

カエセルでは、設定タブの「端数処理」で切り捨て・四捨五入・切り上げを切り替えられます。「計算根拠」画面には、使っている式と月利の出し方をそのまま表示しているので、どちらの処理で銀行の数字に近づくかを実際に試せます。それでも数千円以上のずれが残る場合は、日割り計算や保証料の上乗せ方式など、アプリでは再現できない金融機関固有の規定が関わっている可能性があります。

契約前には必ず、金融機関が発行する正式な返済予定表をご確認ください。このアプリは、契約前に選択肢を比べるための道具であり、契約書の代わりにはなりません。

カエセル

カエセルは端数処理を切り捨て・四捨五入・切り上げから選べ、使っている式をそのまま「計算根拠」画面に表示します。銀行の返済予定表と数字を突き合わせたいときにも使えます。

iOS 17+ / 買い切り 120円

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