2026-08-19 / 起業・開業
自宅を事務所にする個人事業主の「家事按分」の考え方
家賃や電気代のように、プライベートと事業の両方で使っている支出は、事業で使った割合だけを経費にできます。これが家事按分です。何を対象にできるか、どう割合を決めるかを整理します。
短い答え
家事按分の考え方は、所得税基本通達45-2に基づきます。支出のうち業務の遂行上必要な部分が 50%を超える場合はその部分を必要経費にでき、50%以下でも業務に必要な部分を明確に 区分できる場合はその金額を必要経費にできます。対象になりやすいのは家賃・電気代・通信費・ 車両関連費で、割合は床面積や使用時間など、他人に説明できる根拠で決めます。
対象になりやすい支出
- 家賃・住宅ローンの利息相当分。持ち家か賃貸かで扱いが変わります(元本部分は経費にならず、賃貸の家賃や住宅ローンの利息部分が対象になります)
- 電気代・ガス代・水道代。事業用の設備を使う時間や、作業スペースの面積を根拠にします
- 通信費。自宅のインターネット回線や、事業でも使う携帯電話の料金
- 車両関連費。ガソリン代・駐車場代・自動車保険料など。事業とプライベートでの走行距離の比率で分けます
法人にはこの家事按分という考え方自体がなく、個人事業主特有の仕組みです。
割合をどう決めるか
代表的なのは床面積による按分です。自宅の総床面積のうち、事業専用に使っている部屋の 床面積の割合で計算します。リビングなど共用の部屋を仕事にも使う場合は、その部屋の床面積に 「業務で使う時間 ÷ 1日の総時間」を掛けて事業用の面積相当分を求め、専用部屋の面積に加える 二段階の計算がよく使われます。
通信費や車両費のように面積で説明しにくいものは、使用時間や走行距離の比率で決めます。 いずれの方法でも、「なぜその割合にしたか」を説明できることが大切です。
目安として語られる割合
自宅の一部を事務所にしているケースでは、家賃の2〜4割程度が現実的な目安として 紹介されることが多いようです。ただしこれはあくまで一般的な目安であり、部屋の使い方は人によって 違うため、自分の按分割合はこの数字に合わせるのではなく、実際の面積や使用時間から自分で計算する 必要があります。
根拠を残しておく
家事按分は、税務調査で聞かれたときにその場で説明できるかが重要になります。 間取り図に事業用スペースを示しておく、電気代なら事業用機器の消費電力と稼働時間を記録しておく、 車なら業務での走行を記録しておく、といった形で、あとから割合の根拠を示せる状態にしておくと 安心です。
まとめ
家事按分は「なんとなく半分」で決めるものではなく、面積や時間など具体的な根拠から割合を出す ものです。税金にかかわる話なので、実際に適用する際の細かい要件や最新の取り扱いは、 国税庁の公式サイトや 税務署、税理士に確認してください。開業したばかりの人は、まず 開業の手続きの順番から確認しておくとよいでしょう。
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