SAUNA INC.

ホーム解決のヒント

2026-08-08 / 仕事の道具

個人事業の開業、何から手をつければいいか

やりたいことは決まっているのに、提出する書類の種類と順番が分からず止まってしまう。実際に調べると、法律で期限が決まっている届出は2つだけで、残りは任意か期限に幅があります。何を、いつまでに出すべきかを整理します。

先に結論

期限が法律で決まっているのは「開業届」と「青色申告承認申請書」の2つだけです。開業届は事業を開始した日から1ヶ月以内、青色申告承認申請書はその年から青色申告を受けたい場合は原則3月15日まで(1月16日以後に開業したときは開業日から2ヶ月以内)に、それぞれ税務署へ提出します。この2つの期限だけ押さえておけば、あとは落ち着いて進められます。

なぜ止まりやすいのか

「開業届」「青色申告承認申請書」「事業開始等申告書」「屋号」「屋号口座」など、似た響きの言葉が同時に出てきて、どれが必須でどれが任意か区別がつきにくいのが原因です。しかも提出先が税務署(国税)と都道府県税事務所(地方税)の2箇所に分かれており、様式や期限も別々です。全部を一度に理解しようとすると止まります。期限が近いものから順に片付ける、で十分です。

期限が近い順にやること

1. 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)— 開業日から1ヶ月以内

納税地を所轄する税務署に提出します。所得税法で「事業を開始した日から1ヶ月以内」と定められている、数少ない法定期限つきの書類です。e-Tax(国税電子申告・納税システム)でのオンライン提出、郵送、窓口への持参のいずれでも受け付けています。屋号(任意)もこの届出で決められます。

提出が遅れても罰則の規定はありませんが、次の青色申告承認申請書は開業届の提出を前提にしているため、後回しにするほど話がつながらなくなります。

2. 青色申告承認申請書 — 開業から2ヶ月以内(またはその年の3月15日まで)

青色申告には最大65万円の特別控除や、赤字の3年間繰越しなど、白色申告にはない特典があります。ただし自動では適用されず、申請書を期限内に出した人だけが対象です。1月16日以後に新規開業した場合は「開業の日から2ヶ月以内」、それより前から始めている場合は「その年の3月15日まで」が期限です。ここを逃すと、その年は白色申告のまま確定申告することになります。

3. 事業開始等申告書 — 都道府県税事務所へ(期限は自治体ごとに違う)

個人事業税に関わる地方税の届出で、提出先は都道府県税事務所です。期限は自治体によって差があり(15日以内としている都道府県もあれば1ヶ月以内としているところもあります)、様式も統一されていません。事業を行う都道府県のサイトで様式と期限を確認してください。国税である開業届とは別物です。

4. 国民健康保険・国民年金への切替 — 会社を辞めてから14日以内

会社員から個人事業に切り替える場合に限りますが、社会保険の資格喪失日から14日以内に、市区町村の窓口で国民健康保険と国民年金への切替手続きが必要です。これは開業届とは別に、退職のタイミングで動く手続きです。

期限がなく、あとで決めてよいもの

  • 屋号名義の銀行口座。個人名義の口座のままでも事業はできます。屋号が決まってから、必要になった時点で開設すれば十分です。
  • 会計ソフトの選定。開業直後は取引数が少ないことが多く、慌てて決める必要はありません。
  • 従業員を雇う場合の届出(給与支払事務所等の開設届出書など)。雇用が発生してから提出すればよく、開業と同時に必要なものではありません。

「期限が決まっているものだけ先に片付け、残りは必要になってから」で順番として崩れません。

それでも判断に迷う場面

青色申告にするかどうか、屋号をどうするか、開業日をいつにするか——制度としての説明は調べれば出てきますが、自分の場合はどうすべきかは状況次第で、検索だけでは決めきれないことがあります。そういうときに、誰かに一度話を聞いてもらいたい、というのが起業の相談で最も多い場面です。

迷ったら、話しながら整理する

私たちは、この「制度は分かったが自分の場合どうすべきか分からない」を解くために起業おじさんを作りました。悩みをまず最後まで聞き、そのうえで今週できる一歩を1つか2つだけ示す相談アプリです。全部を一度に片付けようとしなくて大丈夫です。無料でお使いいただけます。