2026-09-06 / 仕事の道具
元利均等返済と元金均等返済の違いを、実際の数字で比較する
「元利均等」と「元金均等」、名前が似ていて違いが分かりにくい2つの返済方式を、同じ条件で計算した実際の数字で比べます。
先に結論
総支払額を抑えたいなら元金均等、毎月の負担を一定にしたいなら元利均等です。同じ借入額・金利・期間でも、返済方式が違うだけで総利息は数十万円単位で変わります。どちらが「得」かは家計の状況次第で、一律にどちらが正解ということはありません。
元利均等返済とは
毎月の返済額(元金+利息の合計)が、返済期間を通じて一定になる方式です。返済が進むにつれて元金の残りが減るため、同じ返済額の中で利息が占める割合は少しずつ下がり、元金に充てられる割合が少しずつ上がっていきます。日本の住宅ローンで最も広く使われている方式で、毎月の家計管理がしやすいのが利点です。
元金均等返済とは
毎月返済する元金の額を、返済期間を通じて一定にする方式です。利息は「その時点で残っている元金」に対してかかるため、返済初期は元金がまだ多く残っており利息も大きく、返済額(元金+利息)は高くなります。返済が進んで元金が減るほど利息も減るため、返済額は毎月少しずつ下がっていきます。
実際の数字で比較する
借入3,000万円・金利1.2%(固定と仮定)・返済期間35年(420回)で、元利均等の方式で機械的に計算すると、次のようになります。
- 元利均等 — 毎月の返済額は一定で87,511円。総返済額は36,754,488円、総利息は6,754,488円。
- 元金均等 — 初回の返済額は101,429円と元利均等より13,918円多いところから始まり、返済が進むにつれて下がっていき、最終回は71,500円まで下がります。総返済額は36,315,000円、総利息は6,315,000円。
同じ条件でも、元金均等の方が総利息で439,488円少なくなります。理由は単純で、元金均等の方が返済初期に多くの元金を減らすため、利息の計算対象になる残高がより早く小さくなるからです。
それでも元利均等を選ぶ人が多い理由
総利息だけを見れば元金均等の方が有利ですが、初回の返済額が元利均等より高いという点がネックになります。今回の例では初回の差は13,918円ですが、借入額や金利が大きいほどこの差は広がります。住宅ローン審査では「初回時点で最も高い返済額」を基準に返済負担率を見られることが多いため、元金均等の方が審査上の借入可能額が小さくなる場合もあります。毎月の返済額が一定である方が家計管理はしやすく、これが元利均等が主流になっている理由です。
どちらを選ぶかの目安
- 初期費用を抑えたい・毎月の返済額を一定にしたい → 元利均等が向いています。
- 総利息をできるだけ減らしたい・初回の高い返済額を家計が吸収できる → 元金均等が向いています。
- 共働きなどで将来的に収入が増える見込みがある → 元金均等は返済額が徐々に下がっていく方式なので、逆に「今が一番きつい」形になる点に注意が必要です。
試算するときの注意
ここで示した数字は、金利が期間中ずっと一定という前提の単純化した試算です。実際の変動金利では5年ルール・125%ルールが絡み、ボーナス返済を併用する場合は計算がさらに複雑になります。金融機関ごとに日割り計算や端数処理のルールが異なるため、契約前には必ず金融機関発行の正式な返済予定表で確認してください。
カエセル
カエセルは元利均等・元金均等の両方式に対応し、償還表を月ごと・年ごとに切り替えてCSVで書き出せます。条件を保存して2件を比較する機能で、この記事のような試算をご自身の借入条件でも確認できます。
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