2026-08-26 / 仕事の道具
発行した請求書は何年保存すればいいか — 電子帳簿保存法の期間
請求書の保存期間は、発行した側にも受け取った側にも義務があります。「何年」なのかは事業形態によって違い、数え方も発行日からではありません。電子帳簿保存法での扱いと、スマホだけに保存している場合の注意点を説明します。
先に結論
発行した請求書(控え)は、個人事業主で原則5年、消費税の課税事業者(インボイス発行事業者を含む)は7年、法人は原則7年(欠損金の繰越控除を使う場合は最長10年)の保存が必要です。起算日は請求書の発行日ではなく、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から数えます。受け取った請求書も同じ扱いです。
個人事業主と法人で、年数が違う
請求書の保存期間は、税法上の根拠によって次のように分かれます。どちらも「発行した側」「受け取った側」の両方に保存義務があります。
- 個人事業主(消費税の免税事業者) — 所得税法上、原則5年間
- 個人事業主(消費税の課税事業者・インボイス発行事業者) — 消費税法上、7年間
- 法人 — 法人税法上、原則7年間。欠損金の繰越控除を使う事業年度がある場合は最長10年間
インボイス制度に登録している個人事業主は、実質的に7年保存が必要になります。「うちは個人事業主だから5年でいい」と思い込まないよう、まず自分がどの区分に当たるかを確認してください。
数え方は「発行日から」ではない
保存期間の起算日でよく誤解されるのが、請求書に書かれた日付から数えてしまうケースです。正しくはその請求書が含まれる事業年度の確定申告書を提出した期限の翌日から数えます。たとえば個人事業主が2026年分の確定申告(2027年3月期限)に含めた請求書は、2027年3月の翌日から5年(または7年)後まで保存する計算になります。年をまたいで発行した請求書がまとめて同じ起算日になる、という点も併せて覚えておくと管理しやすくなります。
電子データで受け取った請求書は、電子のまま保存する
電子帳簿保存法の改正により、2024年1月以降、メールやWebサイトからPDF等の電子データで受け取った請求書は、紙に印刷しての保存ではなく電子データのまま保存することが原則になりました(改ざん防止のための措置・検索要件などの条件を満たす必要があります)。逆に、紙で受け取った請求書は紙のまま、あるいはスキャナ保存の要件を満たしたうえで電子化して保存します。「もらった形式のまま、期間中はいつでも取り出せる状態にしておく」のが基本です。
保存期間は、スマホの買い替えサイクルより長い
ここが見落とされがちな点です。5〜7年、法人によっては10年という保存期間は、多くの人にとってスマートフォンを2〜3回買い替えるくらいの長さです。請求書アプリが端末の中だけにデータを保存する仕組みの場合、機種変更やアプリの削除で請求書の控えが失われると、税務調査等で提出を求められたときに再現できなくなります。
対策はシンプルで、アプリ内で完結させず、期間の途中でファイルとして書き出しておくことです。PDFで書き出せば見た目そのままの控えとして、CSVやJSONで書き出せば取引先・金額・日付をデータとして、それぞれ別の場所(パソコンのバックアップ、クラウドストレージなど)に保管できます。年に1回、確定申告のタイミングで書き出す習慣にしておくと、抜け漏れが起きにくくなります。
ひとり請求書
ひとり請求書は、発行した請求書の控えを端末の中に残します。ただし通信を行わずサーバーにも預からない設計のため、機種変更やアプリ削除では引き継がれません。設定からのJSONバックアップとCSV書き出しを、保存期間中は定期的に別の場所へ残してください。
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