2026-08-14 / お金の計算
教育ローンと奨学金の返済を、同じ物差しで比べる
「教育ローンと奨学金、どちらが得か」という比べ方は、実はあまり意味がありません。誰が借りて、誰が返し、いつから返済が始まるかがそもそも違う仕組みだからです。まずこの違いを整理してから、金額で比べられる部分だけを比べます。
先に結論
教育ローンは保護者が借りて、在学中から返し始めるのが一般的です。奨学金(貸与型)は学生本人が借りて、卒業後に本人が返すのが基本です。どちらも「安いほうを選ぶ」問題ではなく、誰の返済負担にするか、いつ資金が必要かで決める問題です。実際には併用している家庭も多くあります。
そもそも借りる主体が違う
教育ローンは、日本政策金融公庫の「教育一般貸付」や、銀行・信用金庫などが扱う教育ローンが代表的です。多くの場合、申込みと返済の名義は保護者(世帯)になります。世帯の年収や資金使途の要件を満たせば、入学が決まった時点でまとまった額を一括で借りられます。
奨学金のうち貸与型は、日本学生支援機構(JASSO)の第一種(無利子)・第二種(有利子)が代表的です。こちらは学生本人が借り、本人が返済するのが基本です。在学中は毎月一定額が振り込まれ、卒業後に本人の名義で返済が始まります。
つまり「教育ローンのほうが安い/高い」を比べる前に、そもそも返済義務を負うのが親なのか本人なのかが違います。ここを混同したまま金利だけ比べても、判断としてはかみ合いません。
返済が始まる時期が違う
教育ローンは、借りた翌月から在学中でも返済が始まる契約が一般的です(据置期間を設けられる商品もあります)。まとまった額を一度に借りて、長期の分割で返していく形です。
奨学金(貸与型)は、卒業後にまとめて据置期間があり、その後に本人の返済が始まります。在学中は「借りているだけ」で、返済の負担は発生しません。
この差は家計への効き方が大きく違います。教育ローンは在学中の家計を圧迫しますが、奨学金は在学中は楽な代わりに、卒業後の本人の手取りから返していくことになります。
資金使途の範囲も違う
奨学金は基本的に、学費や在学中の生活費に充てることを前提とした資金です。
教育ローンは対象となる費用の幅が広いことが多く、受験にかかる費用(受験料・交通費・宿泊費)、入学金、下宿の準備費用、パソコンの購入費など、奨学金の振込が始まる前に必要になる支出をまかなえる商品があります。「入学前にまとまったお金が要る」という場面では、奨学金より教育ローンのほうが実務上使いやすいことがあります。
金利のタイプも確認する
奨学金(貸与型)は、無利子の第一種と、有利子の第二種があり、第二種にも金利の上限があります。教育ローンは、公的機関のものと民間金融機関のもので金利水準や固定・変動の扱いが異なります。
金利は制度改定や市中金利の動きで変わるため、この記事では具体的な数値を示しません。申込み時点の正確な金利・限度額・据置期間は、必ず日本学生支援機構(JASSO)や日本政策金融公庫、利用予定の金融機関の公式情報でご確認ください。
比べるときの4つの物差し
- 誰が返すか — 保護者の家計から返すのか、本人が就職後に返すのか。
- いつ資金が必要か — 受験・入学前後にまとまったお金が要るなら教育ローン、在学中の学費・生活費なら奨学金が主な対象になります。
- 返済がいつ始まるか — 在学中からか、卒業後の据置期間明けからか。
- 総返済額(実質年率で) — 表面金利だけでなく、保証料や手数料を含めた実質的な負担で比べます。
実際には、入学時のまとまった費用は教育ローンで、在学中の学費は奨学金でという併用もよく行われています。どちらか一方を選ぶ問題ではなく、必要な時期と負担する人に応じて組み合わせる問題として考えると整理しやすくなります。
迷ったら公式窓口へ
この記事は制度の仕組みを整理したものであり、個別の可否や金額を判断するものではありません。奨学金の種類・給付要件・返還方法は日本学生支援機構(JASSO)の公式サイトで、教育ローンの金利・限度額は日本政策金融公庫や各金融機関の公式サイトで最新情報をご確認ください。制度は改定されることがあります。
総返済額と実質年率を、金額で比べる
カエセルは住宅ローン向けに作った計算アプリですが、中身は元利均等・元金均等の返済シミュレーションと実質年率の計算そのものです。毎月一定額を返していく一般的な借入なら、教育ローンの返済計画にもそのまま使えます。借入額・金利・期間を入れると、総返済額と毎月の負担額を円の数字で確認できます。
ただし奨学金の返還は据置期間や減額返還・返還期限猶予といった制度が絡むため、正式なシミュレーションは日本学生支援機構の公式シミュレーターをご利用ください。カエセルは一般的な分割返済の試算に使う道具です。買い切り120円、広告も通信もありません。
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